【後悔しない断熱選び】東大教授が語る最適解「ゆとりの6」とは?──断熱等級4の家に3年住んで分かった現実
本記事は、東京大学 前教授による下記の解説動画を参考にしつつ、筆者自身の実体験(断熱等級4の家に3年居住)をもとに整理しています。
引用動画:温暖地で断熱のファイナルアンサー 〜ゆとりの6とは?〜
目次
- 断熱基準義務化の背景
- 日本の断熱等級4・5が“時代遅れ”な理由
- 世界基準と比較した日本の断熱性能
- 温暖地で目指すべき断熱:等級6と等級7
- 最適解「ゆとりの6」とは
- 気密(C値)が断熱以上に重要な理由
- 夏に強い家の条件
- 太陽光と断熱の好相性
- 実例から見る断熱性能の未来
- 【筆者の感想】断熱等級4の家に3年住んで分かった後悔
- まとめ:これから家を建てる方へ
断熱基準はなぜ義務化されたのか?
2025年、日本はようやく省エネ基準(断熱等級4)を義務化しました。しかし、これは性能を底上げする施策というよりも、
- 低性能住宅をこれ以上増やさないための下限ライン
- 「最低限ここまでは守ってください」という基礎条件
に過ぎません。
断熱等級4は1999年制定の古い基準で、現代の生活環境・電気代・健康を守る基準としては不十分です。
日本の断熱等級4・5はなぜ“時代遅れ”なのか
東京大学・前教授は次のように指摘しています。
「等級4・5は、現代の家としては性能不足」
等級5はZEH水準で“良く見える”ものの、世界基準で見るとまだ中間性能。
温暖地の住まいとしては「最低限」を少し超えた程度の性能です。
世界基準と比較した日本の断熱性能
教授の示したデータでは、イギリス、ドイツ、スペイン、イタリア、韓国など多くの国が日本より高い断熱基準を設けています。
日本の等級4〜5は、
「世界的には低断熱ゾーン」
に位置しており、住宅性能としては物足りないのが現実です。
温暖地で目指すべき断熱性能:等級6と等級7
等級6は、ようやく世界基準に並ぶレベル。
一方の等級7は、最高レベルではあるものの、温暖地では「過剰投資」になりやすい側面があります。
教授はこう語ります。
「温暖地では無理に等級7を目指さなくてよい。6と7の間に“最適解”がある。」
その最適解こそが 「ゆとりの6」 です。
「ゆとりの6」の正体──充填断熱+30mm外張りが最適解になる理由
ゆとりの6は、この2つを組み合わせた構造です。
① 充填断熱(柱間断熱)
日本の多くの住宅が採用する基本的な断熱方法。しかし配線・コンセント・柱の構造上、断熱欠損が起こりやすい欠点があります。
② 外張り断熱30mm(付加断熱)
ここが“ゆとり”の本質。
- 施工ムラを補正し、壁の実効性能が上がる
- 気密ラインが安定
- 壁内結露リスクが減る
- UA値0.34前後も狙える
- 施工負担・コストが大きく増えない
等級7のように外側100〜200mmの断熱が不要で、“性能・コスト・施工性のバランス”が最良です。
気密(C値)が断熱以上に重要な理由
教授がもっとも強調していたのがこれです。
「気密が取れていないと、断熱は無力」
冬に起こる現象
- 暖気が上から逃げる
- 冷気が床から侵入
- 足元が冷える
- 暖房費が高騰
夏に起こる現象
- 冷気が床から漏れる
- 湿気が天井から侵入
- ダクト周辺で結露
- カビ発生リスク増加
断熱と気密は二つで一つ。
C値1.0以下(理想は0.5以下) がこれからの基準と言えます。
夏に強い家をつくる2つの条件
① 屋根・天井の断熱を強化
ここが弱いと、2階がサウナのように熱せられます。
② 窓の日射を外で遮る
- アウターシェード
- ひさし
- 外付けブラインド
断熱と遮蔽が揃って、初めて冷房が効率よく回ります。
太陽光と断熱は最強の組み合わせ
教授はこう語ります。
「太陽光を乗せた冷房は使い放題」
冷房を使うのは昼。
太陽光が最も発電するのも昼。
相性としては最強で、冷房費の心理的負担が劇的に減ります。
私自身も自宅に7kWの太陽光を設置しており、このメリットを強く実感しています。
実例:暖房費1,200円の家が示す断熱性能の未来
ゆとりの6(UA0.34前後+高気密)で建てた家では、
- 朝20℃維持
- 日中23℃は無暖房
- 1月暖房費1,200円
という驚異的なデータが示されています。
圧倒的なのは「暖かさの持続力」。
これは付加断熱30mmの“実効性能の高さ”がもたらすものです。
【筆者の感想】断熱等級4の家に3年住んで分かったリアルな後悔
断熱等級4は令和基準では“中の下”だった
標準仕様を見た瞬間、
「今どきの家としては性能が弱いな」
と感じていました。
当時は深掘りせずに進めてしまい、これが後悔のスタートでした。
最大の後悔は“冬場の窓の結露”
断熱等級4の典型的な仕様である アルミ樹脂複合ペアガラスは、冬になると確実に結露します。
私は毎年12月から、
朝に家中の窓を拭いて回る生活
を続けています。
子ども部屋では結露が特にひどく、カビの不安がつきまといます。

※対策として洗車用のタオルを敷き、木部に水滴が垂れないようにしています。また毎朝このタオルを拭きながらひっくり返して回ります。 すべての窓を回ると約10分かかります。
あの時“ゆとりの6”を知っていれば…
オール樹脂樹脂 トリプルガラスにしていれば、、、
- 結露拭き不要
- 結露でサッシや木部がカビる
- -3℃から結露が凍る
これらは大きく改善されていたはずです。
まとめ:これから家を建てる人に伝えたい結論
- 等級4は時代遅れ 結露拭きという実害を生む
- 等級5は最低ライン
- 気密測定は必須(C値1.0以下、理想は0.5以下)
- 太陽光との相性は抜群
そして私はこう断言します。
「断熱・気密を妥協すると、一生後悔する。」
これから建てる方には、予算が許せば“ゆとりの6”を基準に家づくりを考えてほしいと思います。